弟の命日。納骨されている教会でのミサ。じりじりと照りつける太陽を見上げて、あの暑かった夏の日を思い出す。
納骨の時期は、一般的には五十日祭(仏教の四十九日)と併せて行うことが多いらしいのだが、私たちは骨を置いておくことで弟と父がそばにいてくれるような気がして、できることなら長く手元に置いておきたいと思っていて、結局納骨したのはしばらく経ってからでした。
骨を納めることで、ふたりの魂が安らかになるからといわれたけれど、私と妹は最後まであきらめきれませんでした。そして、納骨されているところの扉は大理石でできていて、とても重いため普段は家族でもあけることはできないと聞いて、納骨される前にこっそりふたりの骨壷から小さなかけらを二人分取り出してお互い持っておくことにしました。
私たちのわがままでふたりの骨を不完全なものとしてしまったけれど、どうか許してください。